社長の輪

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VOL.2
     
     
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   株式会社 光文堂  吉村光雅さん

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アルゴプラスの胡子健介さんからのご紹介で、社長の輪、第2回目の登場は光文堂の吉村光雅さんです。
200年余りもの間、川尻町の伝統工芸品である筆製造販売に携わり、近年は胎毛筆にも力を注いでいる企業です。

そもそも胎毛筆って何ですか?
古来から、頭脳明晰・健やかな成長を祈って、産まれてから一度もはさみをいれていない毛先の残った胎毛で作る筆のことです。一生に1度しか作れないため記念に残ると大変喜ばれているんですよ。入学、成人式、結婚など人生の節目に渡される親御さんも多いようですね。

ー200年近く筆作りをされていて、なぜ胎毛筆に着目したのですか?
筆の受注は年々減っていて、事業体として残っていくのは非常に難しくなっていきました。そこで古来の製造技術を残していくためにも、この筆作りの技術を何 かに応用できないかと考えたんです。私が20代前半の頃は過去の伝統的価値観を残さなければという想いが強かったし、高度成長期までは筆を作れば売れると いう時代でした。しかし時代と共に筆の需要も減ってきて、その代わりに価値観のある商品が求められるようになってきたのです。胎毛筆はあって機能するもの ではありませんが、価値観があるという点で時代とマッチしたのではないかと思います。

ー今だからこそ胎毛筆はメジャーですが、当時は認知度も低く、苦労されたんじゃないですか?
多くは理・美容院などの代理店で薦められて注文するというケースが多いですが、この代理店の構築は本当に大変でした。やっぱり最初は代理店にも「何それ、 気持ち悪い」って断られることも多かったですよ。だから胎毛筆の価値観を分かってもらうために、ひたすらお店に通って何度も何度も説明をしました。やはり 作るからには信頼出来るお店に頼みたいというお客様の気持ちをムダには出来ませんから、代理店の方にも自分の思いを理解してもらうまでは!!と頑張りまし たね。

ーそうなんですね。代理店さんも胎毛筆のPRをするの大変でしょうね。
胎毛筆は一般向けではなく、対象は産まれて間もない赤ちゃんのいる家に限られるわけですからPRも一苦労です。これから赤ちゃんを産もうかと言うお母さん も、胎毛筆を知らない人が多いですからね。代理店さんもお腹の中に赤ちゃんがいるお客さんが店に来られたら「こういう商品がありますよ。成長の記念に残し ませんか?」と勧めるわけですよ。そしてようやく赤ちゃんの髪が生え揃ったところで「じゃあそろそろ筆をお願いしようかな」って事になる。つまり1本の筆 を作るまでに、1年以上もの長いスパンがあるケースもあるんです。こうして出来上がった筆をお客さんが観たときの「作って良かったわ」という声が、また次 の原動力になるんですよね。中には自分が作ってもらって嬉しかったから、自分の子どもにも胎毛筆を作ってあげたいって店を訪れる人もいるんです。そういう のって本当に嬉しいですよね。

ー光文堂さんの場合、胎毛筆の種類も多いですが、これらの商品は全部社長のアイデアなんですか?
目先で喜ばれる商品だけでなく、1人1人のニーズにあった長く喜ばれるものを作っていきたいと、お客さんの声を反映させて商品化したものもあります。基本 的に「どうやったら出来るか」というのを考えるのが好きなんですよ。専門の方の力を借りつつ、新しい商品を考えて開発いくのは楽しいですよ。例えばこうい う商品を作りたいと企画を私が出したら、胡子くんがデザインを考えてくれる。それをさらに良いものにしていくために意見を出し合う。その繰り返しですよ。 自己満足な商品を作ってもダメだから、付加価値を追い求めながらより時代にマッチしたものをつくるようにしています。他にはない商品を考えていくのはワク ワクしますよ。例えば、筆と一緒にお子様の名前・生年月日・出生時間・身長・体重などを記したプレートをセットしているのですが、この記録を見るだけで産 まれた時のことをありありと思い出せると喜ばれていますよ。

ー素敵なアイデアですね。ところで会話の中に出てきた胡子さんとは、アルゴプラスの胡子さんですよね?
そうです。無理難題でも胡子くん嫌な顔ひとつせず何でもトライしてくれるし若いのに行動力が並外れているし、どんな難しいことでも「出来ない」って言わ ず、実現できるように自分なりに勉強してスキルアップするので、感心させられてばかりです。他の人とではここまで新商品を開発出来なかったと思っていま す。頼もしくて有望な人材ですよ。

ーお互いに成長し合える良い関係なんですね。吉村社長毎日忙しそうですがお休みの日って何をされてるんですか?
人との繋がりを増やすために、ライオンズなどに顔を出すようにしています。そこからうまれるきっかけってたくさんあると思うんです。それをどう活かすかで 仕事もどんどん変わってくると思うので、いろんな所に出掛けていろんな人に出会って社会の変化や情報をどんどん取り入れて、自分でチャンスをつかむように 心掛けています。時間があれば何時も海外にも出掛けますよ。仕入れた情報でどこまで自分がトライ出来るかが肝心です。たとえ失敗しても「失敗も勉強」とし て捕らえて、またチャレンジすればいいだけのことなんです。

ー実際、胎毛筆の需要は増えてきていますか?
常に最先端の新しい商品を追い求めているので、幸いにも時代の流れにあまり左右されることなく、業績は右肩上がりに伸びています。筆関連の事業体が難しく なっている今、胎毛筆にシフトチェンジしている業者も多いですが、現在年間で100万人の赤ちゃんが産まれているにも関わらず、そのうち当社が胎毛筆をお 作りしている赤ちゃんはまだ5万人なんです。だから伸びしろがあるので、まだまだ開拓の余地があるということです。だから我々はより時代に合ったものをこ れからも考えていかなければならないのです。

ー胎毛筆ってなんだか奥が深いですね。
そうですね。オーダーメイドだから、お子様の髪の長さや量で作る筆の大きさも変わって来るので難しい。髪をボイルして直毛に加工して、穂首(筆の毛の部 分)を作って、焼きじめして、軸にセットする。これらの行程は全て職人さんによる手作業です。だから出来上がる迄に1ヶ月くらいかかるんですよ。中には髪 の毛が短すぎる・少なすぎるということで作るのが難しい場合もありますが、そういう時は「化粧筆だったら作れますよ」など、お客様との密なコミュニケー ションをとることで、何らかの筆を作れるように対応させていただいています。出来上がった商品を見てお客さんが喜んでもらえるのが1番嬉しいから、我々も 全力で出来る事を考える、大変なことほど喜びが大きいですから。

ー最後に今後の展望を聞かせて下さい。
世代交代も控えている訳ですし、このままの体系で良いのか考えつつ、常に魅力的なものを追い求めるようにしていきたいと思います。

ーありがとうございました。

株式会社 光文堂 広島県呉市川尻東3-10-45
TEL0120-474120
http://www.koubundo.co.jp

58歳とは思えないバイタリティーの持ち主で、感心させられてばかりのスタッフ。同じ川尻町に住んでいながら、これまで あまり筆作りに触れることがなかったので、今回は非常に良い勉強をさせていただきました。時代に合った商品をどんどん開発していく吉村社長の姿勢を見習っ て、私も負け時と色んなアイデアを出して誌面やWEBに反映していきたいと決意したのでした。
次回は(株)富廣産業の富田社長です。お楽しみに。
     
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全て職人さんの手作業です 胎毛筆と写真を
一緒にセットしています
化粧筆にもできます

   
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