森の達人・神垣健司 “森へ入ろう”

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VOL.13
 
花と虫の楽園 郷原町大積から二級公園へ

近頃、ゆっくりと歩きながら植物や動物、昆虫などの自然とふれ合う人が増えている。あなたに自然や生き物を大切に思う気持ちと少しばかりの知識があれば、周りには驚くほどたくさんの生き物が暮らしているのが分かるはずだ。
そうした中でも中国自然歩道は、自然を楽しんで歩くには最適の場所だ。芸南地方には、中国自然歩道のうち「烏帽子岩山ルート」「灰ヶ峰ルート」「野呂山ルート」の3ルートがある。好天の休日には、家族や友人を誘って芸南の自然と生き物を満喫してみよう。

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まず、大積池からはじめよう
灰ヶ峰南面にある自動車道を東に進んでいくと、江ノ藤山・灰ヶ峰山頂・大積集落に向かう三叉路に行き着く。そこには産業廃棄物の処分場があり、そのそばにひっそりと大積池が見える。ここから大積集落を通って二級峡公園に至る自然歩道は、芸南地方で最もたくさんの生き物がすんでいる場所だ。特に花と虫に関しては、種類と数が多いことでは芸南地方随一である。それでは、花と虫の楽園を楽しむ散策に出かけよう。
まず、ブラックバスなどの外来種がすむ大積池の周りには、初夏になるとたくさんのオカトラノオが咲いている。近くの湿地には日本で最も小さいトンボのハッチョウトンボが飛んでいるが、小さいので気をつけていないと見逃してしまうかもしれない。歩道が下りになった辺りは野鳥観察に適した場所として有名だ。めったに見ることができないサンコウチョウに出会えるかもしれない。又、最近ではこの辺りにイノシシがすむようになり、時には昼間でもイノシシの親子に出会うことがあってびっくりさせられる。

大積集落に咲く路傍の花々
灰ヶ峰から下っていくと、苗代から大積を経由して郷原方面に抜ける自動車道に出会う。この道を右手に進むと、大積集落はすぐ近くだ。道中では、清流にすむ初夏のトンボ・ダビドサナエをあちこちで見かける。少し暗い杉林に入ると、足下に、花の中にホタルを入れていたことから名づけられたホタルブクロがある。ホタルブクロは白い花がほとんどだが、時にピンク色の美しい花をつけた株を見つけ、思わず嬉しくなることがある。夏になると路傍にはアザミの花が咲き誇り、たくさんのチョウが集まっている。
大積集落を過ぎて、しばらく単調な道を二級峡公園へ向かっていくと、所々に湿原が現れてくる。湿原の周りには可憐なカキランが、初夏のさわやかな風に吹かれて揺れている。この美しいランがいつまでも絶えることがないよう、大切にしていきたいものだ。湿原ではハッチョウトンボも見ることができる。

樹液に集まる虫たち
二級峡公園に近づくと、道路のそばにある雑木林の中には、樹液の出ている木があちこちにある。樹液の出ている木は、道を歩いていてもプーンと酒に似た臭いがするのですぐに分かる。木に近づくと、樹液を吸っていたチョウたちが驚いて、一斉に飛び立つ。ルリタテハやヒカゲチョウが多いのだが、運がよければ国チョウ・オオムラサキの姿を見ることができるだろう。チョウたちが飛び去った後も、スズメバチやクワガタムシの仲間は堂々として、熱心に樹液を吸っている。この辺りにはコクワガタやノコギリクワガタが目立ち、子供たちが喜ぶこと間違いなしだ。

詳細は、月刊くれえばん2005年6月号掲載

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灰ヶ峰裏側の自然歩道

mo13sub1.jpgアザミの花に訪れたキチョウ。
赤と黄色のコントラストが美しい。

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コクワガタの成虫は2〜3年生きる。


   
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